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つうvs廃人 決戦 廃人サイド

つうvs廃人 決戦 廃人サイド

「さて、それじゃあ正々堂々、行くとしますか」

 俺は刀を掲げる。それに合わせてつうもその巨大な斧を掲げてくる。

「それでは、はじめようか!」

 きぃん

 澄んだ金属音が響く。それが開始の合図。
 いずれも大型の装備ではあるが、つうの武器は超重量級といってもいいような大きさ、まともに受ければ間違いなく俺の刀は砕ける。

「砕っ!」

 気合一閃、紅雪がつうの左サイドを狙うが、それを斧の柄で受け止める。そのまま反動を利用して大きく目の前で回した後、振りかぶって下ろしてくる。
 思っていたよりも早いが、反応が遅れるというほどではない。半歩横へと移動し、刃を避ける。斧はそのまま地面を砕き再び頭上へと舞い戻る。

「随分と取り回しの上手いことで……!」

 一気に踏み込む。天雲を逆手に持ち直し、振る。順手よりも小さい半径で攻撃を繰りせる逆手の一撃。それで懐の内に飛び込むが、それは石突に装着されている刃物で受けられる。
 そして、そのまま放たれる突きを受け流し、滑り込むように内側へと入り込み肘による一撃。
 しかし、それは上手く腕でブロックされる。
 衝撃を殺すために上手く後ろに飛んで間合いを開けるつう。

「さすが、だね」

「そっちこそ。そんな馬鹿でかい獲物を自在に扱えるってのは脅威だ」

 今度は紅雪も逆手に。
 つうが斧を振り上げるのと同時、廃人の体が一気に深く沈みこむ。天雲を斧の軌道に合わせるようにして振り、その軌道を逸らし紅雪を振りぬく。
 それを石突で受けると翼を広げ空へと逃れる。

「はぁぁぁぁぁっ!」

 斧を振りかぶり、全力で投擲してくるつう。

「冗談っ!」

 アレだけ巨大な斧が回転しながら飛んでくるというのはなかなかの迫力がある。巨大故に受け止めることは出来ないが、かといって避けるという場合にも大きく動かなくてはならない。
 廃人は迷わず避けることを選ぶ。前へと飛び出し、背後を巨大なものが通過するのを感じてからつうを見上げる。明らかに跳躍では届かない位置に滞空し様子を伺っている。

「高見の見物にはまだ早いんじゃないか?」

「ええ、その通り」

「っ?!」

 背後から迫る気配。何かを考えるよりも先に体が動く。今度は横に飛び、それをかわす。

「何だ、それ」

「それは一応自律行動ができるんだよ」

「詐欺だろ、それ」

 苦々しい思いを押し殺し、対応するために軌道を見据える。軌道をみて読み取れば避けることは可能。
 そう判断し飛んでくる斧を目で追う。今度は側面のほうへと回り込もうと言う動き。逆に俺は斧へと突撃をかける。
 それに気付いたのか斧の軌道がわずかに動く。が、やはり重量がある分即座に方向を変えるには至らない。

「やはり、万能って訳じゃなさそうだな!」

 斧の回転半径内に飛び込んだ俺は足を止め、紅雪を宙へと放り投げる。

「空にいれば安全だなんて思うなよ!
 我流二天 飛竜疾駆!」

 左手に収まっている天雲の切っ先で紅雪の柄頭を思い切り突く。
 凄まじい速度で打ち出された紅雪は避けようとしたつうの翼へと突き刺さり、バランスを完全に崩させる。

「しまっ……!」

「立て直す隙は与えると思うなよ!」

 ある程度落ち始めたところで俺は跳躍し、つうへと飛びかかる。
 高さが並び、刺さったままの紅雪の柄を握り、宣言する。

「これで決めるぜ?」
 
 紅雪を一閃。翼が切り裂かれ、完全にその機能を失う。落下する際に腹に手をあて寸頸を放ち、戦闘力を奪い刀を喉下へ。

「俺の勝ちだな。お前の斧が迫るよりは……早いぜ?」

 つうは降参の意を示し、それと同時に試合終了の合図が流れるのであった。